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生存競争
2009-01-20 Tue 14:03
登場人物紹介

序章 ―激動―

一章 ―英雄と殉教者たち―

ちゃんとした世界


凄く……更新が遅いです……

戦闘は多分中盤の終わりか後半辺りになるかと

それまでは会話になる予感



 そもそも護衛として同行するだけで、統括に関わる気は更々無かったのだが、

二ヶ月半前にフィアナに呼び出されるまでは。


「意外と詰めが甘いのね」

「何の話だ?」

「ガステリアの件よ」

先日の襲撃の折、西の集落の巫女に復讐された男の名前だ、

尤も知ったのは後になってからだが。

「急に抵抗されてな、余裕もなかったので殺める事になった」

後々面倒にならないように殺したのは俺という事にしてある、

巫女は道中で気絶していた所を保護したと。

「厩舎に残ってた吐瀉物、これという日に食べる住民の特別メニューらしいわよ、

当日食べていた人間は巫女以外眠らされていたみたいだけど。

貴方とカリンとガステリアの3人しかいなかったのに、どういう事なのかしらね?」

「先に厩舎に行っていたのかもしれんな、緊張で吐いて、その後気絶でもしたか」

「で、貴方も緊張していたから何度も刺したと?」

「……」

「詰めが甘いって言ったのはその辺りの事よ、

庇うならもっとちゃんと庇ってあげなさい、拗れたら火あぶりじゃ済まないんだから」

溜息をついて、重い口を開く

「……要求は?」

「もう後始末はしてあるから、心配しないでいいわ」

怪訝な顔でフィアナを見る。

「仲間なんだから忠告しあったり、助け合ったりするものでしょ?」

自主的なお返しが面倒な事になるなと覚悟しながら俺は礼を言った。


 翌日、仕事を『助け合いに』行った。

その量と内容に仲間なんていらないと思えるまで半日とかからなかったが。



 カリンとのじゃれ合いが、

ちょっと前までは机だったものを挟んで小休止を迎えた頃、

本部に行っていたニールとフィアナが戻ってきた。

随分と様変わりした部屋を見て呟く。

「派手にやったねぇ」

「運動不足とストレスを同時に解消しようと思ってな、

前衛的な模様替えをしてみたんだが」

「次からは修練場でやってもらえるかしら?」

「いいじゃねぇか、どうせコイツこっちじゃ寝室で

ベッドの耐久試験すんのが仕事なんだろ?」

「……修理費は天引きしとくわね」

「まぁいいけどね、明日から一週間は使わないし」


 本部より明日より探索隊の任務に復帰するように指示されたらしい。

先のガステリアは探知が得意だったらしく、

最後に何かあると出た地点の探索に向かう事になったようだ。

ニールに魔力が戻り出したのが二週間ほど前、

まともに歩けるようになったのが一週間ほど前。

当然今回はニールを除く3人での探索だと思ったが、

本人は参加する気らしい。

「本部としては首一つで成り上がりの英雄君に、

内治させて失脚させたかったんだろうけどね」

「予想外に巧く事を運んで邪魔になってきたと」

「ここいらで死んで貰えると助かるんだろうねぇ」

「ムカつく話だなおい」

「仕方ないよ、いつだって死んだ英雄だけがいい英雄な世の中です」

「そんな世の中に波風を立てる気なんでしょう?」

「それはもう、そんな訳で協力よろしくお願いします」

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