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ちゃんとした世界
2008-12-02 Tue 14:08
登場人物紹介

序章 ―激動―

一章 ―英雄と殉教者たち―


久々に更新





 ヘリアンフォラの戦力を分散させ、集落の防衛を固める為に、

ヘリアンフォラ内部に元々あった政治と宗教の軋轢に漬け込んだ。

政治部3人、宗教部3人の6人編成といった具合に、

それぞれで組ませて、お互いを警戒させながら防衛拠点に配置しておく。

政治部、宗教部同士で寄せ集まらないように定期的に循環させていき、

その監視に西の集落の元回心組を当てる。

発案者のニールとフィアナが西の集落統括役として、

そこに居を構える事になった。

俺とカリンもその護衛でついて行っている。

最初の一ヶ月は紛争も多かったが、

三ヶ月も経つと、それなりに落ち着いていった。


 サラセニア軍もヘリアンフォラ抑留と監視の為、

ここ三ヶ月は魔石探索には出ていない。

これから折りを見て適度に派兵していく事になるだろう。

残った問題は、ヘリアンフォラ側の探索兵の用途となっていた。


 集落と洞窟の中間点、山裾の近場に荒地がある。

そこの開拓でも行わせるかと考えていた時、

「また悪巧みか?飽きねぇな」

いつの間にかカリンが部屋にいた。

「人聞きの悪い、迫る食糧事情に対して余る労働力を貸してもらうだけだ」

「え?そんなヤバイの?」

「漁が出来ない上に、四カ国4500人の成人男性を食わせなきゃならんのだ、

備蓄が尽きたら終わりだぞ」

「どうすんだよ・・・」

「農地の開墾だな、収穫出来るようになるまでしばらくかかるから、

それまでは食糧制限をかける事になるだろうが」

「うげ・・・」

「と、発表すれば鉄土の荒地開拓でも従って貰えそうだな」

「・・・殴っていいか?」

「神話の名残か備蓄に余裕のある島でな、交易も封鎖されてるから

輸出用の作物を国内に回して貰っている。

うまく食いつなげて、天災もなければあと三年は持つだろうよ」

「この島にずっと住む羽目になるってこたぁねぇよな?」

「なんとも言えんが、そうなった時の為に食住の確保と

共通の不安を煽る気でいる」

「詐欺師が」

「優しさの嘘だよ、暇にしておくとロクな事がないからな。

まぁ人間バカじゃない、いずれは気付かれるだろうが・・・

その頃には本当に食糧危機だ」

「やっぱアンタ人間嫌いだろ、それも重度の」

「心外だな、嫌いにならないように

最大限積極的な努力を日々行う俺に対して言う事か」

「やる事がいちいち下に見てるんだよ、後極悪前提だろその考え」

「個人ならともかく、集団の質は低いから仕方ない。

『ちゃんとした』教育ってのを施すなら別かもしれんが、時間がない。」

「ちゃんとしたってなんだよ」

「分際を弁える能力を身に付けさせる事だよ、あと社会制度が

努力でどうにかなる範囲を今より少し増やせれば言う事はないな。

目先の欲からの犯罪が今の10分の1くらいにはなるだろう」

「そんな世界になったらアタシらメシ食えねぇぞ?」

「話を聞いていたか?

そうなったら俺やお前は9割の中でも真っ先に淘汰される埒外だろうよ」

「よ~し、ちょっと修練場行こうぜ。

そのタッパと同じくらい慎ましくなれるように、

ちゃんとした教育を施してやるよ」

「出会ってから二年か、歳月は人を成長させるものだな、

お前から場所を変えようなんて理知的な言動を聞けるようになるとは。

このままの速度なら来世には『普通』の部類に入れるかもしれんぞ」

一瞬前まで俺の顔のあった位置に拳が通る

大きく避けた心算だったが、僅かに頬を掠めて行った。

やはり少し鈍っているな。

勘を取り戻すのと、書類の格闘で溜まった鬱屈の憂さ晴らしに、

目の前の爬虫類のような笑いと殺意を携えている女と遊ぶとするか。

立て続けの二撃目を大きく後ろに避けながら確信する。

やはり俺たちはちゃんとした世界で真っ先に淘汰されるべき存在だろうと。

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