スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | top↑
一章 ―英雄と殉教者たち―
2008-11-17 Mon 14:16
登場人物紹介


序章 ―激動―

11/23 句読点の追加と編集

12/06 三点リードと全ダッシュの編集と句読点の変更



 洞窟に入り一時間ほど経った頃だろうか、

前方から振動が伝わって来た。

二十から三十くらいの獣の足音、

気付かれるのは仕方ないにしても、

四人いるというのに随分と好戦的な事だ。

幸か不幸か、一本道の通路。

見通しのよい直線まで後退し、

後方からの挟撃を気にしつつ、

油を撒いて灯りから火の準備。


 姿が見えた瞬間――

先頭にフィアナの矢が直撃する。

「どこ狙っても当たるみたいね」

数は三十ほど、統制も何もない。

我先にと突っ込んで来る犬型の怪物。

近接されるまでにもう二匹ほど削ってもらい後方へ。

飛び掛られる直前に――

準備していた火を放つ。

目の前の油に、

そしてちょうど最後尾のいる辺りの油に。


 燃え上がる火に怯んだ連中を狙い撃ちしてもらいつつ、

ギリギリで火を超えた四匹を俺とカリンで始末する。


 精神を集中して、

強風で火を煽る。

恐慌状態の奴らを一匹ずつ仕留めて行く。


 最後尾の怪物は奥の炎に巻き込まれていなかった。

にも関わらず、コイツは後退せずにそこで怯えるだけだった。

嫌な予感がする。


 奥に人の気配、

コイツラは襲ってきたんじゃない、

そこから、

逃げてきたんだ。


 奥に行くほどに、

通路は少しずつ広くなり、

やがて広場のような場所へと出る。

そこの手前、通路の終わりで先客達の様子を伺う。

人数は13人。

これから探索するもの達と、

これから帰還するもの達とが鉢合わせしたらしい。

帰還側が出口を前に油断したか、

とにかく一方的な結果になる事はここから見ても解る。

鎧の紋章から見て、

帰還側がネペンテス、

開始側がヘリアンフォラ。

只でさえ余力のないネペンテスチームだが、

その上相手も悪い。

太陽教の最高位能力者の一人で、

山の形を変えたことで一躍有名になった男がいる。

奇蹟使いと呼ばれた大物がこの島に上陸している事自体聞いていない。

また、以前からいるのなら何故今頃に出撃なのか……?


 「で?行くの?退くの?」

フィアナがニールに問いかける。

俺も意見を表明しておく。

「退くべきだと思うが」

大物は仲間に任せて参戦していない。

気安く使える能力では無さそうなのは助かるが、

温存されている以上、下手に挑むのは自殺行為だろう。

「いきなり大手柄のチャンスじゃねぇの?」

カリンはやり合うつもりらしい。

「終わる直前くらいに……不意討ちしようか」


 一番近い相手まで距離約30m、

広場の真ん中に陣取る大物まで約50m。

立っているのは8人、

内2人は程無く倒れるだろう。


 他人が掴みやすいように後ろ髪を束ねてある。

そこに仕込んだ五本の投剣の内一本を取り出す。

距離はあるが、フィアナの補正でなんとか喉元を狙えるだろう。


 残り1人止めを放った瞬間、ソイツに向けて投剣を打つ。

若干ずれた狙いを修正しながらフィアナが奇蹟使いに向けて矢を放つ。

一人目が崩れ落ちる――


 同時にカリン、ニール、俺が駆け出す。

一瞬視界が昏くなった感覚の後、

矢に光の線が走った。

飛び道具か――

10mまで迫った敵と、

射線を重ねてニ撃目を警戒しながら距離を詰める。

ニールの水撃が弓使いの二人目を刺す。

奇襲に気付いてこちらを向いた三人目が、

体勢を整え直す前にバックソードを喉へ。

一瞬緑色の霧が見えた気がしたが、

すぐに消えて行った。

剣撃を器用に篭手で捌きつつ懐へと入るカリンを、

視界の端に映しながら漸く体勢を整えた槍使いの突きを凌ぐ。

四度目の突きに真横から首の曲がった死体が割って入る。

と、同時に槍使いにカリンの飛び後ろ回し蹴りが入っていた。


 残りは一人。

だが、

飛ぶ矢を叩き落す威力の飛び道具と反射神経。

オマケに今の間に距離をとられてしまった。

もう人の盾も使えない。

散開して犠牲を覚悟するしかないか、

そう考えたその時、

大物はゆっくりと口を開いた。



 「お前は確かサラセニアの・・・野盗の真似事か?」

俺たち全員を警戒しているが、明らかにニールに当てての発言だった。

「……」

「蛮人風情が……よくも私の……貴様の一族必ず私が根絶やしに」

「さっきさ、光放ってたけどあれが奇蹟?」

「……?」

「だったらこないだウチの領土の太陽教信徒にもいたよ、奇蹟使い。

三日くらいタールに漬けてから焼いたら一晩中光ってたな。

混ぜ方次第で青やら緑にも光ってたから綺麗だったね。

ついでに跡形もなくなってたけど、あれはどの程度の奇蹟?」

「――ッ!!」 


 景色が、

奇蹟使いに吸い込まれるように消えて行く。

集束させた輝きをなぎ払うように撃つ。




 気付くと、俺は倒れていた。

口も眼も、全身が、乾いていた。

渇きで痛む眼を僅かに開ける。


 大量の蕩う水と水蒸気。

ニールが周囲から限界まで集めたのだろう。

なんとか光線を曲げたものの、

ニールの右肩辺りは肉が炭化している部分さえあった。

軌道を変えつつ、突っ込むつもりだったのか?

しかしそのまま、力無く崩れ落ちた。


 相対していた者からも水分を奪ったらしく、

奇蹟使いもなぎ払うつもりの光線を解除されて片膝をついている。

「き……ぁッ!!」

何かを発しながら懐の短剣をニールへと振りかざした瞬間、

フィアナの矢が右頬の辺りを貫いた。



 「一気に……飲むなよ……死ねるぞ……」

意識はあるが、体は思うとおりに動かない。

それでもなんとか体を引き摺って、

コントロールを失ってブチ撒かれた水たまりから、

失った水分を取り返そうとしている俺とカリン。

ニールは倒れてから動いていない。

胸の動きはあるので恐らくは気絶だろう。

火傷の辺りにも大量の水を被っているので、

一先ずの応急を置いて、フィアナは周囲の警戒に当たっている。


 「人影は今のところなさそうよ、さっきの野犬達が舌なめずりしてるくらいで」

広場に通じる通路の内の一つを指してフィアナが言う。

「数は?」

「二十くらいかしら、死体待ちだと思うけど……」

「警戒して貰えてる内に撤退だな」


 死体から魔石を剥ぎ取りつつ入り口に置いた荷物の整理。

カリンは野犬の警戒。

といっても余力はないので今襲われたら一溜まりもないのだが。

気絶したままのニールは火傷の他不整脈も出ているらしく、

フィアナに背負ってもらう。

ニールの荷物をカリンと分けて持つ。

長弓とニール、自分の荷物のあるフィアナは大変だが、我慢してもらう。


 一刻を争いそうな症状の出ているニールがいるとはいえ、

警戒を怠る訳にも行かず、慎重に来た道を戻る。


 山中、町の明かりを見てようやく人心地をつく。

終わってみればあっという間の、

散々な初日だった。


 ニールが救護室送りに、

俺もカリンも1日は安静に、

フィアナは任務の報告へ行ってから帰ってこない。

まぁそれもそうか、

大物から剥ぎ取った魔石を見つめる、

装飾品としても一級品だろう。

綺麗な十字石だ、持ち主の魔力と感応してかうっすらと光を放っている。

ヘリアンフォラの探索隊の象徴であった(と思われる)男の死。

「荒れるな……」

誰にとも無く呟き、今後の身の振り方を考ようとした瞬間、

横で寝ていたと思っていた女が口を開く。

「暗闇で石とお喋りしてんじゃねぇよ、気持ち悪ぃ」


 撤退から1日経った夜更け。

なんとか一命を取り留めた男に呼ばれた。

目を覚ましてすぐフィアナと代わって会議に参加。

1時間ほどでまた代わって貰って病室へ引き上げ。

そして俺を呼び出しか、全く忙しない事だ。


 火傷も酷いものだが、それ以上に魔力が戻って来ないらしい。

今現在は普通の人間が大怪我している状況と変わりないそうだ。

回復にもかなり掛かるだろうとのこと。

本来なら絶対安静なのだろうが。


 「珍しく頑張っているようだな」

入るなりの呼びかけに、ニールが僅かに苦笑しながら応える。

「……まぁ。」

「で?用件は?」

「攻めるんだって……ヘリアンフォラ」

「いつ?」

「奇蹟使いの帰還予定日、多分五日後くらい」

頷いて言葉を待つ。

「休んでろって言われたけどね……もう一手柄上げておきたい。

向こうの情報集めるの、手伝って」

しばらく考えて、

尋ねる。

「標的の数、見張りの位置、巡回の時間、現地民の協力。

それと……襲撃直前に大物の死を流す等の撹乱役か?」

「さすが……後は当日の露払い役も……」

「……お前の褒賞の三割でいいぞ」

「……それ……まかんない?」

「長い付き合いだからな、四割の所を三割と言ってやったつもりだが?」

「分厚い友情に感謝シマス……」


 部屋に戻ると、カリンはまだ起きていた。

「フィアナは?」

「さっき1回戻ってまた出てった。ニールはなんてよ?」

「あぁ、何でもケガの介護に現地の若くて美人の女が欲しいんだそうだ」

「死ななきゃ治らねぇのかね、バカじゃねぇの?」

「それ位で治るなら可愛気があるというもんだ……そんな訳で出てくる」

「聞くのかよ……」


 夜更けでもやっている酒場を目指して歩く。

肌寒い中、1人空を見上げる。

臆病者で詐欺師の天職か、

我ながらどうしょうもない。

苦笑しながら、俺は店へ入った。


 明け方近くに基地へと戻る。

道中、30名程の小隊を連れた男にすれ違い様に呼び止められた。

「誰だ?こんな時間に何をしている?」

名前は思い出せないが、フリクセル公の親衛隊隊長だ。

随分と若い、ひょっとすると30代の前半なのではなかろうか?

「先日の補給船の生き残り、傭兵のアルツです。

ウトリクラリア殿より任務を預かっております」

「あぁ……」

呟きながら、値踏みするようにこちらを見る。

「何故洞窟に死体を放置したままにした?

幸い我々の処理が間に合ったものの、

他国に見つかっていればお前の後ろ盾、ウトリクラリア殿の提案である

ヘリアンフォラの強襲なぞ不可能になる所だ」

「……申し訳ありません」

「……まぁいい、お前らは戦闘能力のみを買われて雇われている。

くれぐれも、余計な事は仕出かしてくれるなよ」

そう言いながら基地をあごでさす。

俺は一礼をしてその場を離れた。

やれやれ、

カリンがいなくてよかった。


 「宵っ張りだねぇ」

病室に入るなり、酒場から紹介してもらった女に、

包帯を替えて貰っている男が話しかけてきた。

炭化した部分が骨の近くまで達し、患部を削った為、

日に数十回包帯を替える破目になっている。

青白い顔でよく軽口が叩けるものだと感心する。

「貧乏暇無し、という奴だな。

俺も貴族のドラ息子なら、今時分は寝て過ごしていたろうが」

「裕福なのは親であって僕じゃないって。

自由に動かせるお金欲しさに傭兵やってるくらいですよ?」

小遣い稼ぎに傭兵か、

普通なら考えられない神経だが、

この男が言うとうっかり信じてしまいそうになる。

ニールが包帯を替え終えた女に対して笑いながら話しかける。

「ありがとう、ちょっと早いけど朝ごはんと紅茶二人分お願いします」

頷いて出て行った女の足音が消えると同時に、ニールが再び口を開く。

「ところであの人何?いきなり来て世話してくれるのはいいとして、

お陰でフィアナとカリンから白い目で見られてるんですけど?」

「もう一手柄上げようという人間が、『青い顔してベッドに磔でいる』より、

『日も明けない内から女を連れ込んでいた』の方が士気にいいと思ってな」

「僕の品性はお構い無しですか、てか手を出してもいいの?」

お構い無しも何も、既に語るに落ちていると思うが。

「俺が頼んだのは身の回りの世話までだ、下の世話は自分で交渉しろ」

包帯にはもう既に赤と黄色の染みが出来ている、

そんな状況でこの余裕だからな、

ひょっとして殺しても死なないんじゃないか。

そんな馬鹿げた事を思ってしまった。


 周囲に人がいない事を確認して、椅子に座りながら口を開く。

「そういえば……来る途中親衛隊とすれ違ったぞ」

「あぁ……死体処理かな?うまくいってた?」

「他国に見つかる前に処理出来た、だそうだ」

「そっかそっか、それじゃ今日はそれしか出来てないから、

情報戦に喰い込める余地が出てきたね。

……で、首尾は?」

という事は情報集めは独断か。

死体処理での正規軍の足止めは計算か偶然か。

……まぁいい、取り合えず報告するとしよう。


 向こうの集落に出入りしてる業者から聞いた話をかいつまんで話す。

「現地民の反抗がある分、疲労は大きいようだな。

とはいえ現時点の残存戦力は同程度か或いは若干上だろう」

続ける。

「見張り台は大きなものが四つ、巡回時間は不明、まぁ目新しい話は無しだ」

「現地民の協力だが、表立って反抗してる連中は監視が厳しいな。

集落の巫女を筆頭に回心して隷属してる連中もいて、住民同士も割れている」

更に続ける。

「隷属連中は自主的に教会を建てて信仰を強調してるらしくてな、

当然そこは監視下にあるんだが、この一年で反発や反抗が一切無い。

回心を奨める為に週一回、こちらの集落にも顔を出してるんだそうだ。

今週は今日が予定日、監視はもちろんあるだろうが、接触してみる。

そんな訳で例の十字石を借りる許可を取って置いて貰えると助かる」

「ん……」

上の空か、まぁ恐らく今後の動向を考えているんだろうが。

一呼吸置いて、水差しに手をやる。

コップの水を見て、思い出したようにニールが口を開く。

「そういえばさ……ごめんね。

「なにが?」

「島に着いた時にカリンとオルクの話してたっしょ、

あの時、起きてたんだよね。盗み聞きになったから」

「言わなきゃわから……もしかして最後のアレか?」

「うん、まぁ。相手の水分だけ吸う気だったんだけどねぇ、

どうやらうまくいかなかったみたいで」

「どちらかと言えばそちらを謝罪してもらいたい」

「あれは不可抗力だって」

「ほう……

全く何の練習もせず、人から伝え聞いただけの技を、

危急存亡時にぶっつけ本番で使い、

敵味方なく危機に陥らせる事を、

『不可抗力』と呼ぶのか。お前の田舎では」


――作戦の予定日まで後4日



 昼過ぎに現地民のような装いで回心組が教義を説いている小屋へ。

ヘリアンフォラの兵士が三人と、回心組が十人、

そしてここの回心組が三人。

見物が俺を入れて二十人。

奥で話している集団と手前で世間話をしている集団に別れている。

当たり障り無い会話をしながら、

ヘリアンフォラ回心組の十人にそれとなく着目する。

20分も見ていれば、大体誰がヘリアンフォラの監視役か仕草で解る。

人生の後半から強制で信じたものとそうでないものが浮き出る。

中りを付けたのは二人、よくよく見ていると、

入り口付近の兵士三人の死角を補う位置にいる事が多い。

残りの八人の内、最もここの回心組と会話していた男と、

さり気無くその男から監視役の壁になる位置に動いていた女。

この二人に接触する事にする。

女の方は昨日酒場で働いていた女だ、今日の夜分にでも顔を出すとしよう。

男とは終了の一時間程前に会話。

こちらの事情を話す。

当然、警戒されたが、奇蹟使いと洞窟内で出会った日と時間、

そして十字石とで話を聞く気にはなったらしい。

後日、向こうの西の集落で落ち合う約束をとって一旦引き上げ。


 酒場の開店準備をしようとしていた女と接触。

この南の集落の巫女見習いらしい。

各集落に1人の巫女の跡継ぎは、

血筋という訳ではなく、巫女が独自の基準で選定しているものらしい。

状況が状況なので、神事の手伝いより家業を優先している、だそうだ。

とはいえ、行動から恐らくはこの女が集落の外交窓口なのだろう。

先ほどの男の時と同じく、状況と事情を説明して協力を取り付ける。

西の集落への潜入を手助けしてもらう事と、

集落の巫女への紹介状を書いて貰う。


 ニールに報告がてら、

ヘリアンフォラに送り込んでいる間者との接触方法を聞く。

「間に合いそう?」

「二日前までにはなんとか」

「ギリギリだねぇ……」

人数を増やして気取られるのはマズイ、

敵はヘリアンフォラだけじゃない。

ネペンテスにセファロタス、

どちらかに嗅ぎ付けられて、漁夫の利を取られるのは避けたい。

「そうそう……間者で思い出した。行動で被るかもしれないから話しておくけど」

顔を向ける。

「フィアナにも今接触してもらってる所なんだ、会うのは明日夜以降にしてね」

「死体処理に親衛隊特務班が動いた分のフォローか?」

「そそ、さすがに三十人も動くとね。こっちの間者は全部で十人だけど、

向こうの間者で把握してるのは5人ってトコなんだよねぇ」

「ふむ」

「仕方ないので、

『先日奇跡的に生き残って流れ着いた傭兵が探索初日で死んじゃったけど、

やんごと無きお方の子息だったのでもみ消しました。現在替え玉が入院中』

折角の奇跡的な生き残りがいきなり死んだとなって、

士気に影響が出ないように配慮したという設定で」

反応を伺うような顔をあえて無視する。

「兵站と街道の確保は?」

「今回の騒ぎに出遅れた大所帯の隊長さんが頑張るんじゃないかな、

現時点で動かせそうな人数が400人ってとこなんよねぇ、

後100か200増やしてくれたらなぁと思ってはいるけど」

「先日から言おう言おうと思っていたが」

「ん?」

「随分腹黒いな、お前は」

苦笑しながらニールは答える。

「長生きの知恵ですよ、てか君もそうじゃん」


――作戦予定日まで、後三日



 西の集落、というかヘリアンフォラへの香具を売る荷馬車がある。

毎日の儀礼で使用しているものらしく、西の方では既に原料が無くなりかけている。

そんな訳で最近は南から輸入しているらしい。

当然、内容の監査も厳しかったのだが、

監査側が業者に付け届けを要求するようになってからは緩んで来ているようだ。

今では物資から嗜好品まで、ここを隠れ蓑に送られている程。

酒樽の中で揺られながら一時間ほど過ごす。

二重底にして上辺に酒を入れて、下に武器を入れておけば、

決行日に現地民の撹乱もいけるかもしれないな。


 念のため髪型と服を変えて昨日の男と再度接触。

巫女見習いの紹介状を見せて、なんとか本日中の謁見を取り付ける。

回心組の宣伝塔として、

ヘリアンフォラから駆けずり回らされているので、

夜半になるだろう、との事だ。

その間、現地民の尾行に注意しながら見張り台の地形をチェック。


 深夜近くに現れたのは、年端もいかない子供だった。

先代の巫女は占拠後すぐに事故死したのだそうだ。

叛乱の空気が高まる中、新しい巫女は回心し、

大きく二つに割れたままここに到る。

現地民から唾を吐かれ、太陽教徒にいい様に見世物にされ、

表立って反抗している連中を隠れ蓑にしてまで、

それでも、いつか来るであろう好機の為に、

見張りの位置や兵士の数、武器の数、巡回の時間などを調べていた。

巫女様を始めとした住民の血と涙の結晶のようなものです。

男は涙ながらにそう言った。

無駄にはしませんから、

俺も涙を流しながら受け取る。


 真夜中に間者と接触。

今後流して貰う情報の段取りと、

今しがた受け取った兵や見張りの巡回などが、

正確かどうかの確認。

現地民から見れば我々も等しく敵のはずだ、

両国で潰し合うように仕組まれていると非常に困る。

さすがに気分のいいものじゃないが、だからこその三割請求である。

信じる事が難しい事柄があるように、

疑う事が難しい事柄もある。


 日が昇り始めた頃、撤退の準備を始める。

穏健派の説得と作戦を練る時間は俺の仕事じゃないが、

撹乱でまだ引っ張りまわされるだろう。

上陸して以降、随分と忙しないな。

倉庫の奥で久しぶりの仮眠を取りつつ、

朝方にフィアナと合流し、基地へと戻る。


――作戦予定日まで、後二日



 基地に戻ってニールに報告。

カリンと合流し、そのまま四人で穏健派の説得と作戦の決定会議へ。

双方の蒙る被害への懸念が穏健派の主な反対理由なので、

敵の象徴とも言える男を既に殺してしまっている為、

バレて拗れる前に、逆手にとって攻めるという流れで説得する。

見張りや兵力の情報を統合し、作戦を練る。

払暁に先行部隊を放って奇襲、撹乱。

その後正規部隊による拠点本部への侵攻と制圧。

名目上は奴隷のような扱いを受けている現地民の解放であり、

西に遍く不義を討ち、弱者を庇護する為の戦いである。

現地民に対する略奪などは禁止、という要項を盛り込んで貰って、

後は大人しく隅の方で見学に回る。

同じく隅で暇そうにしていたカリンが口を開く。

「正義の味方だってんなら正々堂々のがいいんじゃねぇの?」

「作戦は相手に楽に、怖がらずに勝てるような内容が望ましいからな。

正義に関しては、流れさえ抑えておけば後からいくらでも上書き出来る」

「タチ悪ぃな、おい」

「兵士や魔力者でも普通の人間と大して変わらんからな、

悪者にも勇者にもなり難い」

「勇者になれんから不意討ちで、悪者になれんから正義ぶんのかよ、

虚しくなんねぇのかね、そんな辻褄合わせで」

「皆が皆、強く明確に必死に生きてると思うなよ、

持てる重さには限度ってもんがある」


 夕方に会議は終了、酒場に顔を出す。

今回の件の黙認と静観願いの交渉。

探索隊の一部活動の制限と、

現地民への犯罪取締り強化を条件に確約を取り付ける。

「これはお願いなんだけど」

そう前置きして巫女見習い―ミルナ―は続ける。

「事が終わり次第、西の集落に引き渡して欲しい奴がいるの」

「西の先代の事故死関連か?」

「そう、魔力持ちで少佐の男よ。頼めるかしら?」

「最大限生け捕り出来るよう努力はする」


 夜中に救護室へ戻る。

未だに魔力の戻らないニールだったが、

正規部隊に参加するつもりらしい。

俺はニール直属の特務兵として先行部隊に入る。

「派手に動いてくれるのはいいが、反感はどうするつもりだ?」

「喰い込める内に喰い込んでおかないとそれこそ締め出されるって、

それに、適度に反発し合ってたほうが戦果上がると思うけど?」

「短期はいいかもしれんが、シコリを残すと後が面倒だ」

「まぁ確かに、でも時間も余裕もないんだから仕方ないよ」

不意に、

廊下に人の気配を感じ、様子を伺っていると、

ノックの音がした。

「どうぞ」

入ってきたのはフリクセル公だった。

「見舞いに来たよ、具合はどうかな?ラディアタ君」

ラディアタというのは多分ニールの本名なんだろう。

「順調に回復しておりますよ、作戦にも支障ありません」

苦笑しながら公が口を開く。

「そう逸らずともよい、見舞いだと言ったろう?」

公の椅子を用意してから、ニールに話しかける。

「外で待機しておりますので、何かあればお呼び下さい」

「あぁ」

鷹揚に頷くのを見ながら一礼して部屋を出る。

――やれやれ、今夜も寝れそうにないな。


 廊下には公の護衛だろう、

いつぞやの親衛隊隊長―ジャトロファ―がいた。

「随分調子よく跳ね回っているようだな?」

「お陰様で」

「作戦会議にも出張っていたな、傭兵。

現場を混乱させたり士気を下げるのがお前の仕事か?」

「今日の内に混乱出来て何よりですね、

作戦当日なら目も当てれない事になるところだった」

強い視線を受け流しつつ答える。

「…………」

「…………」

「……見張り台での常駐魔力者は1人だったな?」

「そうです」

「撹乱に割ける魔力兵と一般兵の数だと三台しか手が回らん。

そこでだ、戦闘のプロであるお前に一台任せてやろうと思っている」

「……1人でやれと?」

ニタリと笑いながら、ジェトロファは喋る。

「不意討ちとはいえ奇蹟使いを討ち取ったんだ、簡単だろう?

あぁ怪我をしていたんだったか?

それでは厳しいな、いや、しかし待てよ、あぁそうだ、

あれから四日、一切『公式の』任務は与えられていないはずだな、

充分に休養し体調も戻ったろう、喜ばしいことだ。

万全の体で思う存分活躍してくれたまえ」

「……お心遣い誠に痛み入ります」


――いよいよ明日、決行






 「んじゃ何か?お前ら『死ぬ』か『死ね』かで『死ぬ』を選んだのかよ、

ついでだからもっと派手に喧嘩売ればよかったのにな」

笑い転げるカリンを憮然としながら黙殺する。

フリクセル公が戻った後、ニールがカリンとフィアナを呼び、

新たに決定した――

俺は単独の見張り台攻略、

ニールは正規部隊の先陣を切る、

という事項を話した途端これだ。

「でもどうするの?私もアルツも満足に戦えるような状態じゃないわよ?

貴方は立つのも怪しいでしょう、ニール」

フィアナの当然の疑問に、ニールがゆっくり答える。

「ん……まぁアルツにはカリンを付けるよ、ここまで温存しといたしね。

僕らの方はほら、もう一班の人たち、覚えてるかな?」

「……ストレリチアさんと……リラさん……だったかしら?」

「そうそう、体裁繕う為に洞窟入りしてる事になってるんだけどね、

実際には山中でキャンプして貰ってる。

今から作戦の連絡が行くから、直前には戻って来るかな。

……これでも仲間の安全くらいは考えて行動してるんですよ?」

「ウッカリ干物にされかけたけどな」

「あれはほら……事故ですよ事故」


 昼過ぎに来た間者からの書信。

巡回や見張りに特に虚偽は無し、

特に現時点で軍の目だった動き無し、

作戦の決行時間、情報を流す時間と内容の確認。

奇蹟使いをサラセニアが屠った、勢い付いて明日にも攻めて来るかも。

そういう情報を真夜中過ぎに流して、

本部にトップ連中が集まって一網打尽に出来るように仕向ける。

現場にもそれなりの混乱が走るだろう。

警備が強化され、見張り兵も夜通し動くだろうから、

奇襲直前に現地民と一緒に見張り台傍で騒動を起こしてもらう。

手順に抜かりないか確認して返信。


 武器の投剣を20本ほど補充。

洞窟内と違い、解毒や保存を考えずに済むので、

痺れ毒に浸しつつ、万一の為に解毒薬を持つ。


 撹乱部隊出発の少し前、無断でニールの元に顔を出してみる。

熱と疲労と怪我で鎧も満足に着れない男がそこにいた。

「騎馬して指揮を執るらしいが、振り落とされて死にかねんな。

いや、そもそも乗れるのか?」

「大丈夫……ちゃんとやるよ……」

まぁ弱みは見せれないか。

「ここまで盛り上げたんだ、頼むからツマラン死に方だけはしてくれるな。

もう一息なんだろう?」

「……今まで色んな目に遭ったけど、不思議と死んだ事はまだないから大丈夫」

思わず苦笑する。

「奇遇だな、俺もだ」

ニヤリと、笑い合う。

こういう奴が傭兵から上に行くんだろうな。

不思議と何か、

夢を見せる奴が。

それを叶えようとする奴が。



 やや遅れてカリンと合流する。

「どこ行ってたんだよ?」

「……ちょっとな」

「……いいけどよ、作戦中に逸れて死んだりすんなよ、蹴り殺すぞ」

「……気をつける。」

「そうそう、大人しくしてな。アンタはタマにブン殴りたくなるくらいムカつくけど、

中々面白いからな、後ろにいる間位は死なせねぇからよ」


 見張り台から少し離れた木陰に身を潜める。

見張り台の上に1人、燈が一つ。

門の前に二人、篝火が左右に二つずつ。


 「火事だーーーーーッ!!!」

叫び声に反応して見張りが視線を切った瞬間に、

台に向けて投剣を打つ。

胴体を狙ったつもりだが逸れて左足に、まぁ毒がすぐに回るだろう。

同時に魔力を集中させて突風で篝火を消す。

暗闇で固まる二人にも同じく投剣を打つ。

門の傍の壁の前でカリンの跳躍を両手で補助し、

カリンに引っ張り上げてもらう。

「どこだ?」

「煙もあがってないぞ?」

駆け出してくる兵士の群れにカリンが飛び込む。

カリンの居ない方向の篝火を、同じく突風で消し、

投剣で1人ずつ狙い打つ。

四人を打った所で矢に狙われ、

高台から地面に転がりつつ反撃に出る。

怯ませる目的なので当然躱されたが、

直後に現地民に後ろから襲われて昏倒していた。


 水を撒きながらカリンに迫る男の剣使い、

三つ目の瓶を投げ捨てた瞬間、カリンが間合いを詰める。

と、同時に男が霧のようなものを撒き散らす。

「うをッと!」

両手で顔を防ぐカリン、

剣使いが左手を霧に当てた瞬間火花が走る。

一瞬早く自分の周りの霧を炎で包んでいたカリンだが、

猛烈な放電の前に体勢を崩す。

隙を逃さず、男は右手の剣を突き出した。


 左手を地面と垂直に構え、横からの突きを手甲で受ける。

同時に体を後ろに捻って捌きつつ、

反動を利用して右足で相手の左膝を折る。

そのまま相手のつま先に自分のつま先をねじ込みながら、

体を大きく反転させつつの左後ろ回し蹴りが首に入っていた。


 援護する暇も無かったな。

崩れ落ちる男を見ながら、投剣を仕舞う。

「大丈夫か?」

「あぁ、ちょっと痺れるけど……毒とかじゃねぇよなこの水?」

持ち物を見てみたが、同じ瓶しか持っていなかった。

「多分な」


 魔力者が敗れた事と、予想以上に現地民の有志が多く、

ざっと見て70人以上の集団の前に、残りの兵達は降伏を選択した。


 武装を解除させて拘束した後、この場を有志と間者に任せて集落へ。

本隊が突入し始める頃だが、本部の制圧までの間、

武器庫や厩舎を抑えて時間稼ぎをしておくのも特務の役目だ。


 近場の厩舎へと向かうと、

丁度別の見張り台の方角から逃げて来た男がいた所だった。

ひけらかすように首から下げた魔石と、

紋章入りの鎧からそれなりの身分の魔力者だろうが、

部下を見捨てて逃げ出して来たらしい。

「1人逃げる気満々かよ、殺しときてぇな」

「残念ながらお偉いさんだ、可能な限り捕縛で頼む」

露骨に舌打ちされたが、仕方が無い。

貴族の捕虜は本国同士のやり取りで、

交換条件や身代金など、用途はそれなりにあるらしい。

「おっとまた誰か来るみてぇな」

走ってくる足音に目を向ける。

「おいおい、ガキじゃねぇか、何してんだこんな時に」

見覚えがあった、ここの集落の巫女だ。

「復讐……だろうな」

「は?」

「引渡しではなく、どうしても自分で決着を付けたいらしいな」

「解るように喋れよ」

「ここの巫女だよ……男は多分先代を殺した人間なんだろ」

「そりゃ見上げた心意気で……で、どうすんだ?加勢すんの?」

「いや……」

「いいのかよ、巫女に死なれるとマズイんじゃねぇの?」

「心中を汲むだけだ、まぁ……」

「ん?」

「死んだら、殺してやってくれ」

「歪んでんなぁ」

確かに、巫女の命を最優先で守るべき所だろう。

だが……

意を決し、

厩舎に踏み込もうとする巫女を。

あの背中を、

悲しみと、

痛みと、

苦しみと、

憎しみの背中を、見てしまった。

その背景も察しが付いている。

俺は、

そこに割り入る術を知らない。


 馬に乗って逃げ出そうとする男へと襲い掛かる。

手にした短剣で、首から下げている魔石を狙っているようだ。

馬の興奮を鎮めるのに必死だった男は気付くのに遅れた。

巫女がペンダントを握って鎖を切る。

男が咄嗟に膝蹴りを放つ。

吹き飛ばされながら、蹲って吐瀉する子供を見て、

奇襲に驚く男は漸く平静を取り戻したようだ。

「ハハハ……なんだガキかよ……驚かしやがってッ!!」

言いながら巫女を踏みつける、

何度も何度も。

「テメェッ!石を返しやがれ!!クソガキッ!!!」

巫女の手に握られていた魔石を男は必死に捥ぎ取った。

「楽に死ねると思うなよ……このまま弄りころして……え?」

いつの間にか男の短剣が抜き取られ、

男の腹に刺さっていた。

「なん……え……あれ……?」

巫女の手には、男の魔石と瓜二つの魔石が握られていた。

「よく出来てるでしょ、そのニセモノ」

巫女はうっすらと笑いながら続ける。

「お前の事なら何でも知ってるの、私」

「ヒ……ちょ……たすけッ!」

断末魔の叫びが、厩舎を覆った。


「最近のガキは怖いねぇ」

止めを刺すと同時に気絶した巫女を抱えてその場を離れる。


 本部の降伏があったのは、それから一時間としない内だった。


サラセニア軍

死亡

魔力者・・・4名

一般兵・・・26名


負傷

魔力者・・・7名

一般兵・・・79名


ヘリアンフォラ軍

死亡

魔力者・・・15名

一般兵・・・67名


負傷

魔力者・・・9名

一般兵・・・232名


西の集落民

死亡

17名

負傷

58名


 一旦武装を解除させ、兵たちを分散して軟禁する。

夕方になる前に、ネペンテス、セファロタスを交えた会合が行われた。

状況は三竦み。

我々は事を終えたばかりで疲弊、

加えてまだヘリアンフォラと西の集落を纏めれていない。

ネペンテスもセファロタスも、今ならサラセニアを落とせるが、

その後残った一国に掻っ攫われるのが見えているので下手には動けない。

我々は国内を纏める時間が、

ネペンテスとセファロタスはお互いの同盟の時間が、

喉から手が出る程欲しい。

朝までの長い長い会議で、

今回の戦闘行為は妥当な物であったという合意と、

改めて、今後の不戦・不可侵協定を結んで一旦お開きとなった。


 現地民の住民感情と兵士の纏まりを断つ為、

ヘリアンフォラの軍関係者の内、

3人の貴族と10人の将校を処刑。


 現地住民からの訴えで、

特務兵の内5人が当日、略奪と殺人を行っていた事が発覚。

4人は一般兵で1人が魔力者で貴族だった。

一部軍関係の動きで事故扱いになり、

危うく半年程度の謹慎処分で済まされる所だったが、

今この時点で現地民の反発を買えば、

ヘリアンフォラの二の舞だという事を考える多数派の動きに呑まれた。

 そして処刑人は――


 深夜にジャトロファに呼び出された。

「予想以上の活躍だな、傭兵にしては優秀だ……」

「光栄です、ご用件は?」

「優秀なお前にもう一つ仕事を持ってきてやった」

「なんでしょう?」

「お前の大好きな現地民の機嫌取りだ。実に簡単な仕事だよ、

拘留中のヘリアンフォラと――

ウ、チ、の、連中の処刑だ」

「恨みを買えと?」

「嫌なら構わん、お仲間に話を持って行くだけだ、だが――

ウトリクラリア殿は折角の手柄に傷が付くなぁ、

もう二人は女性だよなぁ、全く心が痛む話だと思わんか」

結局、引き受けた。

ジャトロファの拳から僅かに見えた赤色に、

俺は何も言えなかった。


 処刑は翌朝早くに執り行われた。

無抵抗の人間を殺す後味の悪さと、

死に際の罵声と顔を忘れる為に、

潰れるまで酒を飲んだ。


 奇蹟を討ち取って、集落の解放の立役者となった男が、

英雄として祭り上げられる。

沢山の暗い絶望が、

一筋の淡い希望を輝かせる。


 数日後、

西の集落民が建てた教会が取り壊される事になった。

対立していた住民の、解放以降初の共同作業。

解体の補助名目で警備に当たる人員に、俺とカリンもいた。

巫女とそのお付き、そしてやや離れて住民達。

「大丈夫なのかね、あのガキ。もう家族もいねぇんだろ?」

「大丈夫だろう、多分」

仲間を欺いてまで復讐を達成したが、

何もかもを見失った表情をしている巫女に、

涙を浮かべて駆け寄るミルナと、

傍から片時も離れないお付きの男を見て、なんとなくそう思った。

「珍しく前向きじゃねぇの」


――……まぁ、崇めたくなる気持ちも解らなくはないけどよ……

それだけってのはなんか違うんじゃねぇの?


不意に、10日ほど前のやり取りが頭を過ぎる。

たった一つの信仰が、

沢山の人生を切裂いた、

だが、

沢山の人生を救ってもいる。

しかし、

それでも、この光景を見て、

思ってしまった。

「そうだな」


 晴れ渡る空、

風が駆け抜けて行く、

春が、

終わろうとしていた。

別窓 | 創作纏め | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<<いい根性、すなわち、グッド根性ー! | 楓に繋る椛に映える夜合 | オッス、オラ極右>>
 
 
 
 
 
 
  管理者だけに閲覧
 

トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| 楓に繋る椛に映える夜合 |

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。